こども家庭庁は、海外と日本の子ども・若者の意識差について調査しています

こども家庭庁は、子ども政策の推進に当たり、子ども・若者・子育て当事者の状況や意識の実態把握や分析を行っています。このような観点から、こども家庭庁は、2023年度に4件の調査を外部に委託しました(4件は≪コチラ≫です。)。ここでは、そのうち1件の「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」を取り上げます。調査はこども家庭庁からの委託により、株式会社インテージリサーチが実施し、報告書は2024年3月こども家庭庁に提出されました(報告書は≪コチラ≫です。)。調査は、2023年11~12月にかけて、日本・アメリカ・ドイツ・フランス・スウェーデン計5か国の満13~29歳の男女計1000人からWeb調査パネルにより行われました。同様の調査は2018年にも実施されました。こうして得られた情報を元に今後の子ども政策やガイドラインが作られますので、調査の結果は重要な位置を占めています。

設問は全部で31問が用意されました。たとえば、「Q1 あなたは全体として現在の生活にどの程度満足していますか。『全く満足していない』を0点、『非常に満足している』を10点とすると、何点くらいになると思いますか。(回答は1つ)」などの設問が各国の言語で出されています。

分析を担当した京都大学のU教授は、「特に日本における25 歳~29歳の年齢群での幸福感の低下については、今後重点的に分析していく必要性があると思われる。就業して数年という人たちが多いこの年齢群において、協調的幸福感を支える要因は自己肯定感、将来への楽観、職場の満足度や居心地の良さが鍵となっていることからも、若年層が安定した居場所感を感じながら自分の将来を切り拓くことができると感じられる環境作りが必要であろう。」等と述べます。また、北海道大学のK准教授は「これまでの調査と同様に今回の調査においても、日本の若者の自尊感情は、他国の若者と比較して低かった。また、平成30年度の調査と比べ、他国の若者の自尊感情は低下傾向であったのに対し、日本の若者の自尊感情は上昇しており、他国の若者との差は縮小していた。つまり、日本の若者は他国の若者に比べて、依然として自尊感情は低いが、その差は縮小傾向にあるということである。自尊感情の性差については、日本を含め調査対象国の若者全体において、男性より女性のほうが低かった。日本の若者では『その他』の性別を選択した者の自尊感情が他の性別に比べ低かった。これは他国の若者にはみられない特徴であった。」等と述べています。