こども家庭庁は、各自治体に向けて「自治体こども計画」を作成するようガイドラインを発しました
こども家庭庁は、2024年5月24日、都道府県と市町村に向けて、「自治体こども計画」を作成するよう求める依頼文書を発しました。依頼文書には「自治体こども計画策定のためのガイドライン」が添付されています(依頼文書とガイドラインは≪コチラ≫を、概要は≪コチラ≫をクリックしてください。)。「自治体こども計画」は、「こども大綱」の自治体版です。
ここまでの道のりを少しだけ振り返ってみましょう。国連が子どもの権利条約を採択したのは1989年でした。これは子どもの権利を包括的に定めた重要な国際条約です。日本政府が条約を批准したのは5年後の1994年でした。その後、子どもの権利保障をかかげる基本法の必要性が有識者や市民団体、弁護士会などから広く指摘されましたが、法律が作られることはありませんでした。その一方で、児童虐待、いじめ、性暴力、自殺、貧困、不登校、居場所の喪失など子どもを取り巻く環境は悪化し、子どもの権利が守られているとはいい難い状況が進みました。日本政府は、条約批准の28年後の2022年になって子どもの権利条約を実施するための法律として「こども基本法」を制定し、2023年4月1日から施行しました。国内法が整備されるまでに29年がかかりました。
こども基本法9条は、政府に、「こども大綱」の作成を義務づけています。政府は2023年12月に「こども大綱」を閣議決定しました(関連記事は、≪コチラ≫をクリックしてください。)。
こども基本法10条は、自治体ごとに、「都道府県こども計画」「市町村こども計画」を作成するよう求めています。そのガイドラインがこの度発出されたものです。各自治体には、子どもの権利条約の実現に向けて子どもの権利を盛り込んだ計画を作成することが求められています。