こども家庭庁は、全国の市区町村での「こども家庭センター」の設置状況を調査しました(通算3回目)

こども家庭庁は、2025年8月1日、本年5月1日時点における全国の市区町村1741自治体での「こども家庭センター」の設置状況の調査結果を公表しました。3回目の公表となりました(調査結果は≪コチラ≫です。)。こども家庭庁は、2026年度までの全自治体設置を目指して未設置自治体を支援しています。前回の公表は2025年4月21日でした(その記事は≪コチラ≫です。)

こども家庭センター創設のいきさつを振り返ってみます。市区町村の母子保健部門と児童福祉部門は、縦割り行政によって、これまでは別々に活動していました。しかし、こうした状況は児童虐待の早期発見・早期対応の支障となっていました。国は、2022年の児童福祉法・母子保健法の改正によりこども家庭センターを創設し、2024年4月1日から施行しました。ただし、設置は市区町村の努力義務にとどめられました。こども家庭センターは、両部門の機能を維持した上で、共通のセンター長と統括支援員を両部門の上に置き、両部門を一体的に運営できるようにしました。こうすることによって、両部門の連携が図られ、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへの切れ目ない支援が図られます。この制度が機能すれば、支援の必要な家庭の見落としをなくし、児童虐待を未然に防止することが期待できます(資料は≪コチラ≫の本文2ページです。)。

2025年5月1日時点でこども家庭センターを設置した市区町村は、全国の1741市区町村のうち1240となり、71.2%となりました。前回調査時の917からは323増えました。未設置の市区町村は501でした。設置済みの市区町村の割合の高い都道府県は、栃木県・富山県・福岡県がそれぞれ100%、熊本県が97.8%でした。逆に低かったのは、北海道の31.8%、鹿児島県の39.5%、群馬県の40.0%でした。長野県は63.6%でした。

市区町村の分類別に設置状況を見てみます。指定市は全国に20あり、そのうち19の市で設置しました(95.0%)。中核市・特別区は85あり、そのうち78の市区で設置しました(91.8%)。それ以外の市は710あり、そのうち639の市で設置しました(90.0%)。町は743あり、そのうち436町で設置しました(58.7%)。村は183あり、そのうち68村で設置しました(37.2%)。町村にはさまざまな障害があり、設置はスムーズには進んでいない様子が伺えます。こども家庭庁は、町村の設置割合が低いため、管内の町村数の割合が高い都道府県では設置済みの割合が低い傾向がみられる、としています。なお、今回の公表では、未設置自治体でどのような課題があるか、には触れられていませんでした。