こども家庭庁は、今後5ヶ年のプレコンセプションケア推進計画を作りました
プレコンセプションケアとは何でしょうか(以下では、プレコンともいいます。)。こども家庭庁は、「性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて健康管理を行う」と説明しています。2024年6月、こども家庭庁の中に検討会が作られました。検討会は、2025年5月22日、「プレコンセプションケア推進5か年計画~性と健康に関する正しい知識の普及と相談支援の充実に向けて」を公表しました(概要版は≪コチラ≫、全体版は≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。
公表文書によれば、プレコンに関連する国内の課題は多いといいます。たとえば、わが国では低出生体重児の割合が増加し、9.5%前後で推移していますが、低出生体重児の原因のひとつに妊婦のやせの問題があります。20~30歳代の女性のやせは約20%で中長期的には増加傾向にあります。基礎疾患があり、あるいは出産年齢が高くなることによる周産期リスクの高い妊娠が増加しています。予期せぬ妊娠の場合には妊産婦の自殺や児童虐待に至るおそれもあります。また、若い世代が自分の将来を展望する際に、性や健康・妊娠に関する様々な疑問を持っているのに、正しい知識にたどりつく方法や、相談場所・相談手段については、必ずしも広く知られていません。中高生、大学生、20代・30代、具体的に妊娠を考えている人など、人によって必要とする情報が異なる現状と課題があります。
ところが、プレコンという言葉については9割以上が知りません。プレコンという言葉自体が社会内で認知されていません。
そこで、今後5ヶ年の集中的な取組として、【知識の普及と情報提供】性や健康に関する正しい知識の普及と情報提供をします。特に、SNS等を活用して情報発信をし、若い世代の健康管理や性・健康な妊娠や出産の知識の深化に重点的に取り組みます。数値目標として、若い世代におけるプレコンの概念の認知度が5年後に80%以上となること、プレコンを推進する人材(プレコンサポーター)を5万人以上養成することを掲げました。【一般相談】妊娠・出産を含めた性や健康に関する相談を受ける「性と健康の相談センター」などプレコンに関する一般的な相談窓口を推進します。今後5年で、若い世代におけるプレコンに関する相談窓口の認知度を100%にする数値目標を掲げました。【専門相談】基礎疾患があるなどの専門的な相談を受ける相談窓口を全国に展開します。今後5年で、200以上の専門的な相談ができる医療機関を整備する数値目標を掲げました。