こども家庭庁は、「児童養護施設等におけるアレルギー対応ガイドライン」を作りました

こども家庭庁は、2025年3月31日、「児童養護施設等におけるアレルギー対応ガイドライン」を作り、関係自治体に通知しました(ガイドラインは≪コチラ≫です。)。同種のガイドラインに、2019年改訂の厚労省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」があります(≪コチラ≫です。)。

児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、一時保護施設、ファミリーホーム等の施設に入所している子どものアレルギーの現状はどうなっているでしょうか?今回のガイドラインの策定に先立って、厚労省は施設を対象としたアンケート調査を実施し、2021年3月その結果を公表しました(報告書は≪コチラ≫です。)。施設の子どもの18.7%にアレルギーがあり、うち食物アレルギーの子どもは5.2%でした。アレルギーの種類では、アレルギー性鼻炎が約半数、食物アレルギー・アナフィラキシーが3割程度でした。食物アレルゲンは鶏卵が最多、次いで果物類、甲殻類でした。入所・一時保護後にショック症状を起こした子どもは、アレルギーの子ども全体のうち3.1%、食物アレルギーでは6.2%でした。食物アレルギーが原因で入所を断ったことがあると回答した施設は6.5%あり、その理由として、職員の知識不足や専門職がいない、調理を委託しているので対応が難しいなどの回答がありました。自治体や児相への要望として「入所・保護時点でより正確な情報をできるだけ多く提供してほしい」という意見がみられました。

施設に入所する子どものアレルギー対応については、これまで自治体や施設において独自のマニュアルを整備するなど、各自治体や施設の個別の取組に委ねられてきました。しかし、施設には安全で健やかに成長できる環境が必要です。アレルギー対応についても、組織的な対応力の向上に取り組むことが求められます。そこで、施設におけるアレルギー対応の基本的な考え方や注意点、各施設等での取組などを紹介するガイドラインを作成するに至りました。

ガイドラインには、最初にアレルギーに関する基礎知識の説明があります。アレルギーとは何か、緊急時対応はどうするべきか。それに続き、食物アレルギー、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎の説明があり、施設におけるアレルギー対応の取組が紹介されています。