こども家庭庁は、「こどもの居場所づくりコーディネーター」の制度をつくりました

子どもは、家庭を基盤とし、地域や学校などで多くの大人や子ども・若者とかかわりながら成長します。ところが、地域の希薄化や少子化により子ども・若者同士が遊び、育ち、学び合う場面が減り、子どもが地域の中で育つことが難しくなっています。その一方で、児童虐待相談対応件数や不登校、自殺、いじめの増加など、子どもを取り巻く環境は厳しさを増しています。また、価値観や文化の多様化に伴い、多様なニーズに応じた居場所が求められています。こうして、子どもが安全・安心に過ごせる居場所づくりが課題となっています。こども家庭庁は、「こどもの居場所づくりに関する指針」(2023年12月)によって、子どもの居場所づくりを推進していますが、さらに、2025年5月19日「こどもの居場所づくりコーディネーター配置等支援事業実施要綱」を作り、都道府県に通知しました。この要綱は、2025年4月1日から施行されています。要綱から、こどもの居場所づくりコーディネーター(以下、単に「コーディネーター」といいます。)のポイントを要約してみます(要綱は≪コチラ≫、関連記事は≪コチラ≫です。)。

【コーディネーター配置等支援事業とは?】要綱によれば、この事業は、「コーディネーターを配置し、地域のニーズを把握し、資源の発掘・活用等、地域の居場所全体をコーディネートするほか、安定的で質の高い居場所運営において必要となる運営資金のやりくりや人材の採用・育成等の組織経営のサポート等」の事業を行うこと、と説明されています。

【コーディネーター配置等支援事業の実施主体】事業の実施主体は、都道府県及び市町村とします。適切な民間事業者に委託して実施することもできます。

【コーディネーターの業務】必須とされる業務が2つあります。居場所に関する地域資源の把握・居場所同士や関係機関等ネットワーク形成の2つです。そのほかに、地域に応じて行う任意の業務として、居場所運営や人材育成のサポート、子どもと居場所のマッチング、居場所づくりの推進に必要なその他の業務が掲げられています。

【コーディネーターの要件】子どもの居場所について熱意と深い知見を有すること・地域の実情に精通し関係機関との連携や信頼関係の構築を適切かつ円滑に行うことができること・子どもの居場所を継続的に運営していることを満たし、市町村が認めた者とされています。

【子どもの居場所立ち上げ支援】要綱では、新たに開設された子どもの居場所に対し、その開設費用を助成することにしています。