こども家庭庁、母子健康手帳を見直し。乳児身体発育曲線グラフを小さく生まれた子どもに対応するように

母子健康手帳は母子の保険上の重要なツールです。その重要性について、厚労省が2012年に作成した「平成24年3月 母子健康手帳の交付・活用の手引き」の記述をみてみましょう(手引きは≪コチラ≫です。)。

母子健康手帳の重要性は、妊娠期から乳幼児期までの健康に関する重要な情報が、一つの手帳で管理されることです。妊産婦・乳幼児は、日ごろ健康であっても急変することがあります。また、乳幼児期の健康は生涯にわたる健康づくりの基盤です。このように妊産婦・乳幼児の時期の健康の保持・増進は重要なので、母子保健は公衆衛生の中でも重要な分野として発展してきました。母子健康手帳は、妊娠期から産後まで、新生児期から乳幼児期まで一貫して、医療関係者が健康の記録を記載・参照し、保護者自らも記載し管理できるよう工夫された、非常に優れた母子保健のツールです。母子健康手帳の原形は1942年の「妊産婦手帳」に遡ります。1947年成立の児童福祉法は、保健所を中心とした母子衛生行政を推進しました。その一環として妊産婦手帳の目的であった妊産婦の健康管理だけでなく、手帳の対象を小児まで拡大して「母子手帳」と改めました。1965年成立の母子保健法により「母子健康手帳」と名称が変更されてからは、妊娠の届出をすると手帳が交付されるようになりました。母子保健法16条3項には、母子健康手帳の様式は内閣府令で定める、となっています。これまで、社会情勢や保健医療福祉制度の変化、乳幼児身体発育曲線の改訂などを踏まえて、様式はたびたび改訂されてきました。

ややこしいのですが、内閣府令である母子保健法施行規則7条で、母子健康手帳の様式はこども家庭庁が定めることになっています。こども家庭庁は、母子健康手帳の様式を一部改訂して、2025年4月1日から施行することにしました(改訂版の手帳は≪コチラ≫です。)。

改訂された部分は「乳児身体発育曲線」のページです。「男の子」用と「女の子」用があり、体重と身長のグラフに目盛りが印刷されています。これまでは体重のグラフの目盛りは1000グラムから、身長のグラフの目盛りは40センチから始まっていました。この目盛りの最小値を、体重は0グラム、身長は20センチに見直しました。改訂の理由は、これまでの出生時の平均体重は3000グラムほどで推移していたのですが、近年では、1000グラム未満の超低出生体重児が毎年2500人ほど生まれ、出生数全体の一定の割合を占めているほか、医療の進歩により500グラム未満で生まれた子どもの生存率が60%に高まっていることにあります。小さく生まれた子どもの親などを中心に母子健康手帳のグラフをすべての子どもに対応した形にしてほしいとの声が多数寄せられ、この度の見直しに至ったものです。