「こども家庭センター」が2024年4月1日から市区町村で始動
2022年の児童福祉法・母子保健法の改正により、全国の市区町村で「こども家庭センター」が設置されることになりました(概要は、≪コチラ≫をクリックして2~3ページをご覧ください。)。ただし、設置は努力義務にとどめられました。改正法の施行日は2024年4月1日ですので、設置自治体では同日から始動します。
これまでは、たて割り行政の壁があり、市区町村の母子保健部門と児童福祉部門は別々に活動していました。前者は「子育て世代包括支援センター」、後者は「子ども家庭総合支援拠点」です。そのため、妊産婦や乳幼児の保護者への対応と、虐待や貧困などの問題を抱えた家庭への対応とは、あまり連動できていませんでした。
今後は、双方の部門の機能は維持した上で、共通のセンター長と統括支援員を両部門の上に置き、両部門を一体的に運営できるようにします。その結果、両部門の連携・協働が図られ、こうすることによって、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に切れ目なく支援することができるようになります。こども家庭庁は、現在ガイドラインを策定中です(ガイドライン案は≪コチラ≫をクリックしてください。)。 この制度が有効に機能すれば、支援の必要な家庭の見落としを防ぐことに威力を発揮する可能性が高まります。たとえば、心中による死亡を除く0歳児の虐待死は2021年度では24人、うち月齢0ヶ月児6人にものぼりました。こうした家庭の状況は検証されて明らかにされていますが(関連記事があります。≪コチラ≫をクリックしてください。)、こうした家庭にも適切に対応することが期待されます。