最も検索されたキーワードは「死にたい」。NPO法人の調査から
「GIGAスクール構想」は、義務教育の全学年の児童生徒一人ひとりに1台ずつの情報端末を配備して活用する文科省の取組で、2019年にスタートしました。この1人1台端末は、教育の場面のみならず、子どもの心の健康の推進や自殺リスクの把握に活用されることが2023年6月2日の「こどもの自殺対策緊急強化プラン」で推進されています(プランは≪コチラ≫です。)。
NPO法人OVA(オーヴァ)は、子どものSOSをつかむツールを開発して若年層の自殺対策に注力しています。同法人が開発したSOSフィルターというサービスは、深刻な悩みに関する約5000語のキーワードのどれかを子どもが検索すると、相談窓口やセルフに関する情報を一方的に送信する無償のブラウザ拡張機能だそうです。キーワードの約5000語は、「自殺」「学校での人間関係(いじめ等)」、「家庭での人間関係(虐待等)」「性暴力」「自傷」「精神疾患」の6つのカテゴリーから設定しました。このサービスは、検索した子どもを特定する機能を具備しないように設計しました。2025年7月現在、SOSフィルターは8つの教育委員会と1つの私立中高一貫校で導入され、約14万台の情報端末にインストールされているとのことです。ほとんどはGIGAスクール構想で子どもに配付された情報端末にインストールされているようです。
同法人は、2025年7月17日、約7万台の端末のSOSフィルターに関する2025年1~3月のデータを公開しました(公開文書は≪コチラ≫です。)。1ヶ月当たりの平均利用ユーザー数は1206人でした。すなわち、7万台の端末から1ヶ月に1206人が深刻な悩みにかかわる検索をしていたのです。割合としては、約58人に1人の子どもということになります。検索したキーワード別のデータを見ると、最も多く検索されたキーワードは「死にたい」で206人でした。次いで多いのが「いじめ」の200人、その次が「自殺」の178人、さらに「オーバードーズ」の158人が続きました。他には「ストレス診断」「助けて」「憂鬱」「リスカ」「うつ病」「自律神経失調症」が多数検索されていました。
カテゴリー別の検索ユーザー数を見ると、「精神疾患」が40.1%(1543人)、「自殺」が22.0%(846人)、「学校での人間関係」が19.0%(731人)、「性被害」が7.2%(277人)、「自傷行為」が6.3%(244人)、「家庭での人間関係」が5.3%(204人)でした。多くの子どもたちが深刻な悩みをかかえ、インターネットで検索している姿が浮かび上がっています。