文科省は、子どもの自殺は夏休み明けに増加することから、子どもの自殺予防に積極的に取り組むよう全国の教育委員会等へ通知しました

文科省は、2024年7月12日、各都道府県教育委員会等の学校関係者宛に、「児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)」を発しました(通知は≪コチラ≫です。)。同旨の通知は例年発せられていますが、惰性や単なるルーティンに陥ることなく、重く受け止めなければなりません。

子どもの自殺の現状はきわめて深刻です。警察庁・厚労省合同の自殺統計「令和5年中における自殺の状況」14ページによると、全国の小中高生の自殺者の総数は、2022年が514人、2023年が513人にものぼっています。小中高生の内訳は末尾の表のとおりです(「令和5年中における自殺の状況」は≪コチラ≫です。)。末尾のグラフにあるとおり、全国の自殺者総数が減少傾向にある中で、小中高生の自殺者数は増加しています。

文科省の通知には、「令和6年の児童生徒の自殺者数は、1月から5月までの暫定値で182人(令和5年同期間:186人)という状況にあります。」「18歳以下の自殺は、学校の長期休業明けにかけて増加する傾向があります。別添1のとおり9月1日に児童生徒の自殺者が顕著に多いデータもあるほか、別添2のとおり、昨年は、8月~10月にかけて自殺者数が多い傾向にありました。」とあります。

今年の小中高生の自殺者数は、過去2年間とほぼ同じレベルで推移しています。9月1日の自殺者が顕著に多いというデータもあります。8月~10月にかけての夏休みや夏休み明けの時期には特段の注意を払わなければなりません。

(出典 警察庁・厚労省「令和5年中における自殺の状況」14ページ)

(出典 「こどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究報告書」 2ページ 同報告書は≪コチラ≫です)