こども家庭庁公表:宗教の信仰等を背景とする児童虐待について初の実態調査がおこなわれました

「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&A」が厚労省から全国の自治体に通知されたのは2022年12月27日でした(Q&Aは≪コチラ≫を、関連記事は≪コチラ≫をクリックしてください。)。それから1年あまり経過した2024年4月26日、こども家庭庁は初の実態調査の結果を公表しました。調査は、こども家庭庁からの委託により三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が実施しました。調査の対象は児相、医療機関、市区町村、学校、宗教二世でした(報告書は≪コチラ≫をクリックしてください。)。

全国の児相232施設のうち37施設で、2023年9月までの過去1年半の間に、児童虐待に当たる事例が47件ありました。そのうち19件で子どもの一時保護が行われました。同じ期間に、医療ネグレクトに当たる事例は53件あり、一時保護は22件、児相所長による医療行為への同意は3件、親権停止の申立ては3件でした。児相からの課題として「保護者の信条に関することなので、保護者指導をしても改善が難しい」という意見が162施設から出されました。

救命救急センターがある医療機関のうち138施設からアンケートの回答が寄せられました。2023年9月までの過去3年間に虐待があったと回答したのは22施設でした。内容は「医療機関を受診させない」や「医師が必要と判断した輸血などの治療行為を行わせない」などの事例が20件ありました。そのなかには、「13歳の子どもの輸血を理由に骨髄移植を拒否。本人も洗礼予定。看取りとなった」とのケースがありました。

親が宗教を信仰している宗教二世28人へのヒアリング調査では、ほぼ半数が虐待の経験を誰にも相談できませんでした。理由として「虐待だと思っていなかった」「相談できるような相手がいなかった」「相談した後に起こることへの不安があった」などが挙げられています。「後から当時を振り返って、虐待にあたる状況だったと分かった」という声が多く寄せられました。

全国の学校に対し、厚労省が示した上記Q&Aについてどの程度認識しているかも聞きました。「内容も含めてよく理解している」と回答したのは、小学校で23.4%、中学校で21.9%、高校で17.8%でした。宗教を背景にした虐待への理解が十分に進んでいない実態が明らかになりました。