若者の「闇バイト」への加担を防止しよう。
SNS上で犯罪実行役を募集する「闇バイト」が大きな社会問題となっています。若者が「闇バイト」に応募し、強盗事件を犯して被害者を死傷させるケースが続発し、社会を震撼させています。「闇バイト」をなくすことは、その若者の人生そのものにとっても、社会にとっても重大な課題です。こども家庭庁は、警察庁、文科省、総務省などの関係省庁と連携して、若者が「闇バイト」に加担しないための取組をしています(≪コチラ≫をご参照ください。)。
「『闇バイト』は犯罪」。このことをぶれることなく認識することがポイントの第一です。「闇バイト」をやっても1円ももうかりません。只働きの使い捨てです。裏にひそんでいるボスは、高額バイトだとSNSに流して若者を惹きつけますが、それはウソです。「闇バイト」はバイトどころではなく、強盗というれっきとした犯罪です。強盗罪の法定刑は次のように決まっており、窃盗に比べるとはるかに重罪です。
罪名 | 法定刑 | 条文 |
強盗 | 5年以上の有期懲役 | 刑法236条 |
強盗致傷 | 無期又は6年以上の懲役 | 刑法240条 |
強盗致死・強盗殺人 | 死刑又は無期懲役 | 同 |
窃盗 | 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金 | 刑法235条 |
第二のポイントは、闇バイトにだまされないことです。SNSには、「短時間で高収入」「即日即金」「ホワイト案件」「仕事は簡単」「未成年者は逮捕されません」などの言葉が踊っています。しかし、これらの言葉は単なる美辞麗句で、全部ウソです。未成年であっても必ず逮捕され、刑務所に行きます。SNSのこれらの言葉に絶対にだまされないことです。そもそも、SNSにはフェイクが蔓延していますので、頭ごなしに信用しない態度を身につけましょう。
第三のポイントは、個人情報を送らない、家族の情報も送らないことです。個人情報には、氏名、年齢、生年月日、住所、電話番号、職業、勤務先、勤務先の所在地や電話番号、顔写真、両親・きょうだいの氏名、運転免許証の画像などがあります。個人情報をインターネットに入力すると、どこに流れて、誰に悪用されるのか想像もつきません。とりわけ、強盗をやめようと思ったときに、裏にひそんでいるボスから、かねて提供した両親やきょうだいの情報をネタに脅され、恐怖のあまり強盗を実行したなどというニュースを耳にします。日頃から個人情報を第三者に渡さない態度を身につけましょう。
第四のポイントは、勇気をもって、家族・近くの警察・信頼できる大人に必ず相談することです。独りで悩んでいても正しい答えは出ません。冷静な第三者に一言でも相談することが重要です。特に警察に相談することをお薦めします。最初の段階で両親やきょうだいの情報を送信してしまい、裏にひそんでいるボスから両親・きょうだいに危害を加えると脅迫されたとしても、実際に危害が来ることはありません。SNSの相手方に言う必要はありませんから、相手方に内緒で、勇気をもって警察に相談することをお薦めします。警察庁は、闇バイトに応募して個人情報を送った後にやめようとして脅された人を全国の警察が保護した事例は、2024年10月中旬から12月末までの約2ヶ月半の間に、181件にのぼったことを明らかにしています。闇バイト対策では、警察は力になってくれる存在です。 各省庁の資料や関連サイトは以下のとおりです。